教室に並んだ背表紙(相澤沙呼 著)を読んだ感想

教室に並んだ背表紙
「わたしは欠陥品なのかもしれない。自分が大人になれるって、無条件で思い込めるみんなが、羨ましい」(本文より) 中学校の「図書室」を舞台に、クラスへの違和感や未来の不安、同級生に対する劣等感など、思春期の心模様を繊細に描き出す全六編の連作短編集。 【著者略歴】 相沢沙呼(あいざわ・さこ) 1983年、埼玉県生まれ。09年...

 霊媒探偵シリーズやマツリカシリーズとは全然違って、ストレートな青春ものでこういったのも書くんだといったぁという感想。でも今年読んだ本の中では一番のお気に入りに。

 六話構成になっております。いろんな悩みを抱えて教室に居づらくなった中学女子たちが、一時の避難場所として図書館にやってくる。そこでちょっとミステリアスで魅力的な図書館司書のしおり先生と関わりをもって、最終的にはモチベーションを恢復してゆき、先への展望を持てるようになるという感じのストーリーでしょうか。

 ベースにいじめや仲間外れとか疎外感など多感な中学二年生の頃の昔からあるテーマが設定されています。これねー読んでいて中学生って基本学校という狭い世界の中で三年逃れられないので、女子にせよ男子にせよつらいよねって思いました。これが高校生だったら他に幾らでも自分の身を守るための選択があるですが、中学生は転校するとかそう簡単には実現できないような手段しかない感じですし。できないから身を守るために引きこもったり、どうにもならなくなって思い込んで自殺してしまうところまでいってしまうこともあるわけで。本のテーマとしては結構重と思います。…大人が学校の先生しかいないというのがまた良くないわけで…本当に学校というのは世界が狭い。…脱線しました。

 素直な青春ものという体裁ですが、ミステリー作家の一面も出てて、章の構成にギミックが仕掛けてありました。第二章のところで違和感を感じましたが、あれがそーなるのねという展開もあって楽しめました。

 ★★★★★…とてもいい本でした。今年初めての星5つの本。満点ですね。

ハードカバー版のイラストもとても良い感じ雰囲気が伝わってきます。

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