水底フェスタ(辻村 深月著)を読んだ感想

水底フェスタ
狭い日常に倦んだ広海は村への復讐に戻ってきた由貴美に惹かれるが、彼女が真に求めるものは……。そしてフェスの夜に事件が起きる

さて、「傲慢と善良」より面白かったと言いたいもう一つの辻村作品の方の感想です。

さっくりあらすじを。

舞台は信州の寒村。音楽フェスタを地元に呼び込むことでてこ入れに成功したそんな村の村長の息子であり進学校に通う高校生の涌谷広海が、フェスタ会場でこの村から東京デビューを果たしたそこそこ知名度のある女優の織場由貴美を見かけたところから物語は始まります。フェスタも終わり広海にも退屈な日常に舞い戻る中、由貴美が東京にも戻らず誰ももはや住む者の無くなった廃屋同然の自宅にいるといった噂話を聞いて引っかかるものを感じてますが、どうするわけでもなく日々を過ごします(この辺のくだりちょっと退屈なんですよね。読者にとって)。そんな夏休みの最後の日を心地よく過ごそうと夜に近場のダム湖に原付で向かう主人公。そこで偶然由貴美と出会い話をするなかで由貴美から自分はこの村に復讐するために戻ってきたと告白され協力を求められますが…という展開になります。

ちょっと書きましたが、由貴美と再会して協力を求められるまでがちょっと展開がだるくて一体どんな話なのか掴みにくいところがありました。この物語アマゾンの紹介レビューには、ラブストーリー的な分類されているみたいですが、私はサスペンスやスリラー寄りのミステリーに感じました。

話が進むにつれ、主人公や取り巻く人たちの立ち位置が冒頭と入れ替わってくるところがじわじわくるので素晴らしい。物語としては、逆転劇がある分こっちの方が面白かったですね。

★★★★☆彡・・・星四つ半。なかなか良い。

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