英雄の書(宮部みゆき 著)を読んだ感想

英雄の書(上) (新潮文庫)
森崎友理子は小学五年生。ある日、中学生の兄・大樹が同級生を殺傷し、失踪するという事件が起きた。兄の身を心配する妹は、彼の部屋で不思議な声を聞く。「君のお兄さんは、“英雄”に憑かれてしまった」。大叔父の別荘から兄が持ち出した赤い本が囁いた。『...

 ざっとあらすじを。主人公である小学五年生の友理子は、冒頭から中学生の兄が学校で殺人事件を引き起こしたまま行方不明になるという事件に巻き込まれます。悲嘆にくれる家族だが、日頃から優しく正義感の強い兄にかぎってどうして?という思いが友理子にはあった。ある日、なにが兄をそんな行動に走らせたのかと兄の部屋で思いにふけっていると、友理子に話しかけてくる不思議な本に出合って・・・。というところから物語が始まります。

 異世界ファンタジータイプの物語です。読んだ感想なんですが、上巻で長々と世界設定を異世界の偉い人から聞いて、じゃあやっと冒険開始かなとなってもこの主人公友理子(ユーリー)あんまり動いてくれない。いろんな世界があって、異世界をいくつも移動しながらお兄ちゃんを捜していくのかなと思っていたんですが違いました。その辺はなんというか残念。

 結末ですが、エピローグがあってなんとか救済されていると感じました。これエピローグなかったら主人公はまるで救われない話でした。そういう意味では小学生が主人公の割には、結構シビアな物語かもしれません。

★四つ。意外と辛口な物語かも。

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