「不可逆少年」(五十嵐 律人 著)を読んだ感想

不可逆少年
デビュー作『法廷遊戯』が、ミステリランキングを席捲! 弁護士作家、弩級の第2作 若き家庭裁判所調査官・瀬良真昼(せら・まひる)。 どんな少年も見捨てない。 そう決めて彼らと向き合ってきたはずだった。 しかし、狐面の少女が犯した凄惨な殺人事件...

 犯罪を犯した未成年者の更生を仕事とする家庭裁判所調査官の瀬良真昼は、とある重大事件の関係者が次々と新たな事件に巻き込まれいることに気付き、大元となった事件の真相の解明に乗り出す。という感じでストーリーが進んでいきます。一応大元となる未成年者が犯した大事件の犯人は最初から示されているので、犯人捜しが目的のミステリーでは無いです。

 この本のメインテーマとして何度も語られているのが、教育的指導では更生できない未成年犯罪者というのは、やっぱりいるんじゃないのかという現実社会でも重い課題をテーマにしてストーリーが語られているところでしょうか。登場人物たちの間で交わされるその辺の会話のやり取りが面白い。

 残虐な割に単純な事件として、社会に解釈されていた過去の事件の真相を暴いた後、エラリークイーンのYの悲劇的結末を主人公が選んだか、また別の結末に至ったか面白いので興味のある方は読んでみたらいかがでしょうか。面白かったです。

評価…星四つ半! ★★★★☆彡 犯人捜しでも法廷駆け引きものでもないけど、テーマが深くて考えさせられる。面白い。

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