プロメテウスの涙(乾 ルカ[著])を読んだ感想

ここのところ３人とも初めて読んだ作者の方ですが、この方のが一番面白かったです。

ストーリーは、心療内科・精神科医の北嶋涼子のもとにあや香という女の子を幼なじみが連れてきて、突然奇声をあげておかしな挙動をするので原因をさぐって欲しいというところから始まります。一方、涼子の大学時代の同期の祐美というもう一人の主人公のもとには、不死の死刑囚についての話が舞い込んできて…といった感じでもうひとつ別のストーリーが展開していきます。

次はどうなるんだろうと期待させる展開の早いストーリーなので、短時間で読んじゃいました。テンポが良くて面白い。良子と祐美。日本とアメリカをメールでよもやま話的に日々の出来事のやり取りをしているうちに、２人の話が最終的に1つにまとまっていくというところが面白いのかな。距離と時間という問題があってメールでもっさりもっさりやり取りしている間に事態がどんどん進んでいく。まどろっこしさをうまく表現していて読者はそのあたりにじりじりさせられるといったところがうまいと思いました。

星５つ…さくさく読めて面白い。内容は面白いのに本の表紙絵(ハードカバー版)が気持ち悪いのはどうしたものか。