悪いうさぎ(若竹 七海 著)を読んだ感想

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まずはあらすじからざっと。表紙のイラストはなんかハートフルストーリーっぽい感じですが、違います。立派なサスペンスでした。

主人公は、調査会社の30歳ぐらいの女性調査員「葉村晶」。家出少女を連れ戻すところから物語は始まり、その家出少女繋がりで今度は失踪した友達がいるという話になり、その少女の行方を追っていく行くうちに次々と事件が主人公を巻き込みながら起きていくという王道のサスペンスになっています。

感想は、展開は面白いです。サスペンスの王道みたいな展開です。で、前々回の本もサスペンスの感想を書きましたが、王道である分陰謀の中身、犯人の動機というものにすごく読者は期待するのです。平凡でもダメで突飛でもダメ。読者がこれなら納得といったところを動機にしてくれないと困ります。

本作ですが、動機に関しては「!?」ちょっとこれはどうかなぁ???といった感じで、(読み返しませんでしたが)あの結末では物語的に破綻しかけてないかとさえ思いました。時系列的にじっくり並べて見返してみれば多分破綻しないんでしょうが、なんか収まりが悪かったです。

あと主人公、サスペンスな展開の醍醐味はラストぎりぎりまで追い詰められての生還というのが王道でそれを読者も期待するところが大きいと思うのですが、本作の主人公はどうなんでしょう?もっとギリギリ展開有りでちょうど良かったんではとこちらも残念。

物語の9割方までは、うまくいっていたのに最後の10%でなんかおかしなことになってなんとなく終わってしまったといった感じでしょうか。残念だなという印象が強かった本でした。

★は、3つ半(途中までは4つ以上だったんですが)

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