うらんぼんの夜(川瀬 七緒著)を読んだ感想

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クローゼットファイルの作者さんの本。まずざっくりとしたあらすじを。福島の田舎の高校に通う賢くて行動力もある奈緒という女子高校生が主人公なのですが、村の因習にほとほと嫌気がさしていて一日でも早く東京に出て、この息が詰まりそうなこの村から出ていきたいと願っています。そんな鬱屈として日々を送っている奈緒ですが、ある日近くの空き家に東京からの移住者が引っ越ししてきて、奈緒と同い年の亜矢子という友達が出来ます。亜矢子と早速仲良くなった奈緒ですが、村の老人達は皆よそ者をひどく警戒して監視したり意地悪をします。奈緒は心を痛めるのですが、その中心というのが自分の曾祖母を筆頭とする自分の家族だったりして、なんとか移住者の家族を集落に受け入れさせようと奮闘します。

ここで、あらすじを打ち切ってしまうとなんかハートフルストーリーかなーという感じになってしまいそうですが、怪奇ミステリーです。この辺鄙な村には怪しげな地蔵信仰というものがあって、地蔵信仰が1つのキーになっています。またストーリーが展開するにつれてなにやら無垢な移住者という亜矢子一家の方にも不穏な影がチラチラみえてきて、かなり予想外の結末を迎えます。

評価。★★★★☆彡・・・4.4~4.5星。展開は面白い。結末での二人の関係性も面白い。だけど怪異の存在がなんか中途半端で放り出されているのがちょっと気になる。これは「クローゼットファイル」での、問題が解決した後の事は警察に任せるというかたちで曖昧にされているのと似た感じでもやもやするんですよね。

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