「かがみの孤城(辻村 深月著)」を読んだ感想

かがみの孤城
あなたを、助けたい。 学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの...

 この春先まで劇場アニメになって公開もされていた本作の原作を読みました。著者の作品を読むのは実は初めてで、どんな感じなのかわからなかったのですが、面白かったです。

 いじめを乗り越えるまでの葛藤がこの物語のメインストーリーなので重たい感じですが、読みすすめていくうちに主人公の「こころ」をはじめ仲間達の、周囲の人に理解してもらえない心の苦しみやもどかしさが良く伝わってきて、物語にひきつけられる感じが良かったです。

 もっとも葛藤を乗り越えてゆくだけの話なら、ファンタジーな世界設定はいらないはずで、「かがみの孤城」と「オオカミ様」は何なのかという謎解きも用意されています。このあたりはミステリーな感じで物語の進展とともに進む謎解き(この手のギミックって破綻してる作品って割と見かけるんですが、その辺は上手にまとまってて違和感は感じませんでした。流石。)も面白かったです。

 劇場アニメも興味あったのですが、ちょっと前に上映は終わってしまったみたいで残念。「すずめの戸締り」を見に行った時に次の上映が本作だったので、すずめの影に隠れるようになってしまっていまいち印象も薄かったように思えます(出すタイミングが悪かったか)。原作はとても良い物語なので改めて評価されて欲しいところだと思いました。

星は5星…とっても良い。満点。★★★★★

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