
五色の殺人者
介護施設・あずき荘で働く、メイこと明治瑞希はある日、利用者の撲殺死体を発見する。犯人を目撃したのは、同じく利用者である五人の老人。しかし、犯人の服色は「赤」「青」「白」「黒」「緑」と、なんとバラバラの五通りだった! 同じ部屋から目撃したのに...
あらすじは、高齢者のグループホームあずき荘で殺人が起き、そこに勤める新米介護士メイが同僚のハルとともに事件の謎をおっていくというストーリー。
入居者が犯人のシルエットをちらっとみたと証言しているものの、犯人の着ていた服の色に対する証言が全員違う色を証言しているというところが本のタイトルの由来になっているんですね。
この先の感想は、この本読んでみようと思っている人には、ストーリー展開のヒント情報になっちゃうかもしれないので読まないよーに。
★三つ~四つ そこそこ面白い。
鮎川賞を受賞したという本作品、あとがきのところに各選者のコメントが書いてあるのですが、その中に特殊な環境下においてのみ成立するミステリーということが書いてありまして、私もそう感じました。この話(ちょっとネタバレ気味になりそうですが)ストーリーの展開にちょっとでもズレがあると、ミステリーにならなくなってしまうという微妙な話だと思いました。逆に言うとミステリー作家の人がストーリーを考える場合、起こるべくして起こる殺人を考えてから構成を考えていくのが普通に思えるので、そうじゃないところが奇抜なのかなぁとも思いました。

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